あの問題作、あの男たちが再び!『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』放送決定、 沖田臥竜×桐谷健太×佐野玲於を直撃

左から、沖田さん、佐野さん、桐谷さん

昨年1月から地上波(カンテレ)で放送された後、Netflixにて190カ国に配信。地上波作品とは思えないスケールやコンプラギリギリの表現と演出で、世界各国の視聴者を釘付けにしたドラマ『インフォーマ』の続編の放送が、11月7日よりABEMAで開始されることが発表された。タイトルは『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』

 前作は、沖田臥竜の手による同名の原作小説(サイゾー文芸部刊)を『新聞記者』『余命10年』『正体』といった話題作を手がけた藤井道人が総監督として映像化。キャストには、連続ドラマ単独初主演となった主人公の情報屋、木原慶次郎役の桐谷健太をはじめ、騒動に巻き込まれつつもバディ的存在として活躍する「ポンコツ2号」こと三島寛治を演じた佐野玲於、さらには森田剛や石橋蓮司といった豪華キャストがリアリティあふれる演技で独特の世界を描き出してくれた。

 今作『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』も沖田臥竜の小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』の映像化。前作同様に、木原&三島の名コンビを軸に物語は展開。舞台をタイ・バンコクにまで広げ、国境を超えて巨大な犯罪組織と対峙していくというスケール感に加え、すでに発表された莉子、池内博之、二宮和也といったキャストも話題性は抜群だ。

 しかも、現状で発表されている情報は少なく、さらなるサプライズも用意されていると噂されるのだから、否が応にも期待感が高まるだろう。

 そんな中でさっそく、原作・監修の沖田臥竜さん、木原慶次郎役の桐谷健太さん、三島寛治役の佐野玲於さんを直撃した。

3人にとってのそれぞれの『インフォーマ』

――前作の『インフォーマ』は地上波ドラマとは思えない“攻めた内容”で話題になりました。それから2年も立たない間に続編が放送されるというのも異例です。それだけ、続編へのニーズが高かったということだと思いますが、みなさんにとって、前作の『インフォーマ』はどのような作品でしたか?

沖田 『インフォーマ』は唯一無二の作品。とにかくさまざまな概念を破りさって、かつ丁寧に作り上げた物語だったので、初めからシリーズ化のイメージは漠然とですができてました。それだけの手応えがはっきりとあった作品です。

桐谷 これまでいろいろな作品に出させていただいてきましたが、自分自身でそれぞれの作品を言い表すフレーズみたいなものが浮かび上がってくる時があって。僕が『インフォーマ』のときに感じたフレーズ、それは「覚醒」でした。刺激的な世界観や演出、これまでに経験したことのないような空気の中で「覚醒した!」という感覚があったんです。連ドラ初単独主演で覚醒できたということは、すごく幸せなことだったと思います。

佐野 自分にとって『インフォーマ』は「出会い」の作品ですね。健太さんをはじめとした共演者の方、スタッフさんとの出会い、そして、作品そのものとの出会い。巡り合わせやご縁というものを貴重だと感じた作品です。

沖田 『インフォーマ』という作品が持つ力強さには、一つの「インフォーマ基準」というのができた気がしていて、日本のドラマの歴史を塗り替えた部分があるのではないかと思っています。物語のテーマやスケール感、リアルでビビットな描写やテンポ、それらを表現できるキャストやスタッフ…すべてが揃ったからこそ実現することができました。ただそれは奇跡ではなくて、携わってくれたすべての人々の情熱だと思っています。

『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』11月7日、AMEBAにて放送スタート

ごく自然に「これはもう次に行かなあかんでしょ」という空気になっていた

――続編の製作が実現するまでの流れはどのようなものだったのでしょうか?

沖田 そうですね。Netflixのドラマランキングでずっと上位にいて好成績を残したことで、こちらからはそれほど強く働きかけなくても、続編をやるということ自体は藤井道人監督と話し合いスムーズに決定しました。ただ、やるからには自分で書いている以上、前作を超えるものにしなければならない。そこは大変な作業ではありました。

桐谷 前作からもう、スタッフさん、キャストの皆さんの一体感がほんとにすごくて。みんなが本当にいいものを作りたい、この作品が好きだっていう思いが作り出した空気感ですよね。ですから、前作を撮り終わったときに、ごく自然に、「またやれたらいいな」「これはもう次に行かなあかんでしょ」くらいの空気になっていました。

佐野 先ほど「出会い」と言わせてもらいましたが、前作から大変な撮影ではあったんですけど、楽しく進めることができて。そして、その作品が終わってからも、そういう関係値が続くって、これまで経験したことがなかったので、今回また一緒にできるってことが本当にうれしかったです。

沖田 続編がやれるとなったら、あとは桐谷さん、佐野さんら俳優部やスタッフなどのスケジュールがどうなのかということでしたね。同じチームでやることが必要最低条件だったと思うし、一体感があったからこそ生み出せた前作のグルーヴ感は引き継ぎたかった。今回も原作だけでなく監修もしていますので、できるかぎり撮影現場に帯同していました。

――今作では前半の主要舞台がタイのバンコクだったりするなど、大幅なスケールアップがはかられています。

桐谷 まだ続編も何も決まっていないときに、玲於と話してたんです。なんか木原が東南アジアを歩いてる絵が浮かぶねんな、みたいな(笑)。そうしたら、本当にそれが叶った。すごいことですよね。

佐野 またみんなで一緒にできるというだけでもテンションが上がったのに、それが海外で! バンコクロケは特に夢のような時間でしたし、やりたいと思ってもできるようなものではないですし。

――沖田さんは、原作を書くにあたって意識されたことなどありましたか?

沖田 初めから映像化されることを前提に、次は海外を舞台にっていうのはあって、まずは自分でバンコクに行き、書ける状態までするということは最初に意識したことです。前作はNetflixで世界配信することによって、日本にはこういう作品があるっていうのを世界にお披露目したという気持ちが強かったです。そして、一定の評価は得られた中で、次をやるなら、韓国やハリウッドと戦える作品にしなければならないということ。そのためのストーリーは書いたつもりでいます。

――出来上がった映像は、沖田さんが書く原作小説を緻密に再現しているんでしょうか?

沖田 いえ、原作小説をベースに、ドラマの脚本はさらに映像表現にハマるような内容になっています。なので、ドラマを見る前に小説を読んでもらってもドラマを観て小説を読んでもらっても、それぞれの面白みを感じてもらえると思います。あくまで、小説は小説、映像は映像、そして、今は漫画化もされていますが、漫画は漫画の世界観とそれぞれの良さがあると思うんです。自分はそれぞれに筆を入れていますが、細かな内容が異なっていたとしても、すべてが『インフォーマ』という世界に含まれる作品であることは間違いありません。それぞれの世界を使い分け、書き分けしながら育てているというイメージですね。ただ、それらの軸となるのが、映像だという認識はあります。

バンコクだからこそ生まれたキャスト、スタッフの連帯感

――バンコク・ロケでは、前作以上の激しいアクションや危険な場面もあったと聞きます。撮影中の印象に強く残るエピソードや場面を教えてください。

桐谷 5話までの舞台がバンコクなのですが、銃撃戦やトゥクトゥクでのカーチェイス、それから現地の人も入らないような川に2人で飛び込んだりもしました(笑)。実際の廃刑務所を使った撮影もありました。全部が本当に濃くて、印象強くて、そんななかで、見たことのないすごく面白い絵が、しっかりとれたなっていう感覚があります。だから、どのシーンっていうか、全部印象深いです。舞台が東京に移っても、東京を描く空気感がすごく独特なんですよね。タイから東京への空気の変わり方も、作品の大きな見どころになっていると思います。

佐野 僕もバンコクでの出来事はすべて印象に残っていますが、そのなかでもやっぱり廃刑務所での撮影ですね。1週間刑務所暮らしっていうのは、なかなか経験できません(笑)。セットじゃない本物の廃刑務所だからこそ醸し出せる雰囲気のかっこよさ。そして、刑務所での撮影のときには100人ぐらいのコワモテのエキストラさんがいたのですが、その人たちが「本物?」と思うほどリアルで、ちょっとでも〝メシ押し〟すると、「……んだよ」みたいなことをタイ語で言って、現場がピリピリしているのがめちゃくちゃ怖かったです(笑)。基本的には、明るくていい人たちなんですよ。でもメシ押しすると……(笑)。

沖田 タイでも日本でも現場の雰囲気がすごくよかったですよね。前作の時も楽しかったけれど、現場の大変さももちろんありました。ただ、そこで頑張った成果が今作につながったみたいなところはあります。そういえば、行きの飛行機が尋常でない揺れ方をしたので、ここでもし死んだら、俺浮かばれんなとは思いました(笑)が、タイに着いたときに、知っているスタッフたちが出迎えてくれてほっとしました。そのままホテル近くの居酒屋に行くと、その店で俳優部とスタッフが一緒に楽しそうに食事してたんですよね。日本ではなかなか見られない光景じゃないですか。そんなところはすごく新鮮でしたし、海外ならではの連帯感が嬉しかったです。

桐谷 繰り返しになりますが、一体感という意味では前作から本当に強くて、一度経験を積んでいる出演者やスタッフが再度集まっているわけですから、それはいい空気にしかならないですよね。

『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の見どころは?

――最後に、11月7日から始まる『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の見どころを聞かせてください。

佐野 まだ言えないことが多いですが、びっくり箱みたいな作品だなって僕は思ってて。本当にいろんなことが場面ごとに起こりますし、その展開がすごくゾクゾクワクワクさせてくれると思います。とにかく楽しみながら、びっくりしてほしいですね。

沖田 細かい見どころとか、そんなことを自分が語るよりも、とにかく見てもらったら、見た人たちからその答えはもらえると思ってます。その答えに自信がある作品です。

桐谷 「インフォーマ」という存在が扱う情報。世の中って、あらゆることが情報によって成り立っていて、情報によって動いていく。今回は、その「情報」のスケールもどんどん大きくなって、それがいろんなことに繋がっていく。そういったワクワク感やドキドキ感もすごくある作品になっています。本当に期待してほしいですし、見てもらったら、その期待以上の衝撃がたくさん返ってくる作品になっていると思います。これもまだ言えませんが、前作にはなかった主題歌は、すごいアーティストに歌っていただきました。これも、その方々が前作を見てくださっていて、面白いと言ってくださったことから生まれたご縁です。ニノ(二宮和也)とも縁があって、今回出演してもらえることになった。ほかにも前作には出ていない役者さんで、「『インフォーマ』なら」と出演を決めてくれた人もいます。沖田さんと藤井くんの話から始まったものが、いろんな人をどんどんいい感じに巻き込んでいって作り上げられたのが『インフォーマ』です。そういう送り手のハッピーオーラも感じられる作品にもなっていると思います。

佐野 なので、見たあとには、周りに広めてください!

桐谷 本当にスタッフ、キャストがひとつになって、情熱を込めて作り上げた作品です。みなさんも今作を見たら、「まだまだインフォーマを見たい!」と思ってくれるはず。それくらいクセになる、刺激的な作品になっています。

(構成=太田サトル/写真=二瓶彩)

沖田さんによる前作と今作の原作本を手に。早くも次回作が期待されるが……果たして。

『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』
11月7日(木)23時より「ABEMA」にて放送スタート

週刊タイムズの記者・三島(佐野玲於)は、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を調べるために、編集長の命でタイ・バンコクへ飛ぶことに。そこで三島を待ち受けていた人物は……2年前の〈火だるま殺人事件〉で三島に地獄を味わわせた、“インフォーマ”の木原(桐谷健太)だった。木原に翻弄されながらも取材を進める三島。そして2人の前に、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)が立ちはだかる。木原と三島は、〈闇バイト殺人事件〉で盗み出された”謎のブツ”をめぐり、鬼塚・そして現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく——。
同じく〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を追う警察では、異例の捜査体制が組まれ、警視正・高野(二宮和也)の陣頭指揮のもと捜査が進められることに。この事件の裏に潜む“巨悪”とは、いったい何なのか。
生きるか、知るか。
情報は身を守る盾にもなれば、人を殺める武器にもなる。地獄の扉を再び開けてしまった、木原と三島の命運は——?

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原作小説『インフォーマ2  ヒット・アンド・アウェイ』 
沖田臥竜・作/サイゾー文芸・刊/1400円+税
amazonなどネット書店、全国書店で発売中

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インフォーマ(原作)公式

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